物流用語として使用される「ハブアンドスポーク方式」について、解説しています。
(英語:Hub and Spoke)
ハブアンドスポーク方式とは
ハブアンドスポーク方式とは、中心拠点(ハブ)に貨物を集約させ、拠点(スポーク)毎に仕分けて運搬する輸送方式のことをいいます。ハブ拠点を設けることで、<拠点数ー1>の運行経路数でネットワークの形成が可能になります。
例えば、従来の輸送方式では図1のように、6拠点間の相互輸送をするためには路線が15本必要となりますが、図2のように中心拠点(G)を設けることで路線を6本に簡素化することができます。
この考え方は、フェデックス創業者であるフレッド・スミス氏が提唱したものです。
なお、各用語の意味は、次のとおりです。
ハブ【hub】:車輪やプロペラなどの中心部
スポーク【spoke】:車輪の中心軸と輪を繋ぐ棒
ハブアンドスポーク方式の具体例
・路線会社
路線会社(宅配便を含む)では、ハブ拠点に荷物を集めて各地の集配拠点別に仕分けをし、お客様へ配送しています。
全国へ効率良く配送するだけでなく、中継拠点を設けることで長距離での配送がなくなり、ドライバーの拘束時間を削減することができます。
・ハブ空港
ハブ空港とは、人や物がそれぞれの目的地に向かって乗り換えや積み替えができるような広域航空路線網の中心として機能する空港のことをいいます。
長距離便の中継地や乗り継ぎ地として活用されており、効率的な旅客(貨物)輸送につながっています。
ハブアンドスポーク方式のメリット・デメリット
ハブアンドスポーク方式を採用した場合のメリット・デメリットには、次のようなことが挙げられます。
メリット
- 路線数(車両台数)が削減され、積載率も向上する。
- 1回あたりの輸送距離が短くなる為ドライバーの拘束時間を削減できる。
- 輸送単位あたりのCO2排出量の削減に繋がる。
デメリット
- 中心拠点(ハブ)に障害が発生すると、全ての機能が停止するリスクがある。
- ハブを中継することによって横持ちコスト、リードタイムが直送と比べて余計にかかる場合がある。