用語集
ロジスティクス特定荷主
物流効率化法における「特定荷主」について、解説しています。
(よみ:とくていにぬし)
特定荷主とは
物流効率化法(物効法)における「特定荷主」とは、同法に基づき、一定規模以上の貨物を出荷・受入するとして国から指定された「大規模な荷主企業」のことをいいます。
深刻化するトラックドライバー不足(物流の2024年問題)に対応するため、運送会社だけでなく荷主側にも物流効率化の法的義務を課す目的で設けられました。指定された企業は、荷待ち時間の削減や積載率向上に向けた計画的な取り組みを国から求められます。
特定荷主の指定基準
国(経済産業省・国土交通省・農林水産省など)は、事業者が年間で取り扱う貨物重量が以下の指定基準値を超えた場合、特定荷主として指定します。
<指定基準値>
年間の取扱貨物重量の合計が 9万トン以上
特定第一種荷主と特定第二種荷主の違い
特定荷主は、第一種荷主(主に発荷主)と第二種荷主(主に着荷主)のいずれか、またはその両方で指定基準値を超えた場合は、その区分の特定荷主として指定されます。
- 特定第一種荷主(発荷主): 商品を出荷する側の事業者としての年間輸送量(運送を行わせた貨物)が基準以上の企業が指定されます。
- 特定第二種荷主(着荷主): 商品を受け取る(納品される)側の事業者としての年間輸送量(受け取った貨物や引き渡した貨物の量)が基準以上の企業が指定されます。
特定荷主の義務
特定荷主に指定された企業には、物流の効率化に向けて以下の対応(義務)が課されます。
- 中長期計画の作成・提出: 「荷待ち・荷役時間の削減(原則2時間以内、目標1時間以内)」「トラックの積載率向上」など、自社の物流を効率化するための具体的な計画を国に提出します。
- 定期報告の義務: 計画に対する進捗状況や、実際の荷待ち時間、出荷実績などを毎年国へ報告します。
- 物流統括管理者の選任・届出: 自社の物流効率化を体系的かつ強力に推進する責任者を役員クラスから選任し、国へ届け出なければなりません。
また、すべての荷主・物流事業者は、物流の効率化に向けた取り組みに努める努力義務がありますが、特定荷主については、その取り組みの実施状況が不十分な場合、国が勧告・命令を実施することとされています。
物流統括管理者の役割
物流統括管理者は、「に待ち時間の短縮」・「荷役時間の短縮」・「積載効率の向上」などの物流効率化を主導する責務を法的に担う役職です。
一般的な「CLO」との違い
物流統括管理者は、英語でCLO(Chief Logistics Officer)と表現されることがありますが、一般的なビジネス用語としてのCLO(法令上の役割に留まらず、経営戦略の視点から物流全体の最適化を司る者)とは役割・定義が異なるため、留意が必要です。
年度の取扱貨物重量の算出方法
自社が「9万トン」の基準に該当するかどうかを判断するための、年度(4月〜翌3月)の取扱貨物重量の算出方法は、国が作成した手引書において「8つの算定方法」が示されています。
出荷データから直接重量を算出する方法だけでなく、売上高や出荷金額、容積などから推計する簡易的な算出方法も用意されています。自社の業種や保有データに合わせて最適な方法を選択する必要があるため、具体的な算出にあたっては、国土交通省の公式手引書をご確認ください。
国土交通省:物流効率化法等に基づく荷主・物流事業者に関する各種手引書(PDF)
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