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役立ちコラム

EC事業者が物流アウトソーシングを活用する5つの理由

2017.05.08

「商品の出荷作業を自社スタッフで対応しているが、限界を感じてきてきた」
「新たにECサイトをはじめるにあたり、出荷業務をアウトソーシングするか迷っている」
「物流会社にアウトソーシングしているが、自社対応に切り替えるべきか迷っている」

この記事は、そのようなお悩みを抱えているEC事業者・EC部門担当者の方に向けて書いています。

ECサイトにとって、商品とお客様をつなぐ重要な機能であり、悩みの種でもあるのが出荷作業などの物流です。
せっかくお客様から注文をいただいたのですから、素早く丁寧に商品をお届けしたいですよね。

商品発送などのバックヤード業務を自社で運営している場合、従業員が何百人もいるような大企業では、専用の物流センター・システム・人材を確保して、物流システムを構築できているケースもありますが、特に創業・開設から間もないECサイトにおいては、「サイト運営スタッフが兼任でバックヤード業務にも対応している」というケースが多いのではないでしょうか。

しかし、事業規模が拡大するにつれて取り扱う商品点数が多くなると、「注文された商品を探し出すのも一苦労」という状態になっていきます。
ECサイトの運営には、お客様からの問い合わせ対応や商品企画、販促といった重要な業務もありますから、サイトが発展すればするほど発送業務を行うことによる負担もかなりのものとなります。

そこで、EC事業者が物流業務のアウトソーシングを検討するにあたって、アウトソーシングが有効と考えられる5つの理由/ケースをご紹介します。

事業の規模や、取り扱う商品など、事業環境によってその判断は異なりますが、
「そもそも物流業務のアウトソーシングという選択肢が自社に適しているのか?」
を判断する参考にしていただければと思います。

アウトソーシングできる業務の範囲は?

ECサイトにおいて、物流会社などの外部企業にアウトソーシングできるバックヤード業務は、次のとおりとなっています。

■一般的なECバックヤード業務の範囲

  • 入荷・検品:仕入商品を、保管倉庫で荷受けし、検品(数量や外観チェック等)する。
  • 流通加工:商品を販売できる状態にするために加工(値札・タグ付け、袋詰め等)する。
  • 保管/在庫管理:商品を倉庫で保管し、システムで在庫数量やロケーションを管理する。
  • ピッキング:受注した商品を、保管している場所から注文数量分取りだす。
  • 梱包/出荷(発送代行):商品の特性に適した形で梱包し、指定の宅配会社の出荷伝票を貼付し、発送する。

最近では、バックヤード業務だけでなく、ECサイトの運営にかかわるさまざまな業務(フルフィルメント業務)をアウトソーシングするケースも増えてきています。
これらの業務は、物流センターで一元的に実施することで、情報伝達や商品の移動短縮などのさまざまなメリットが発生することから、物流センターの多機能化が進んできています。

■フルフィルメント業務の例

  • 商品の撮影、採寸、原稿作成(ささげ)業務
  • 受注処理業務
  • コールセンター業務

EC事業者がバックヤード業務をアウトソーシングする5つの理由

バックヤード業務をアウトソーシングする場合、その理由・目的は、次の5つに分類することができます。
アウトソーシングという選択肢を選ぶ場合、いずれかのケースにあてはまるということです。
どの判断基準を優先するか?という観点の整理にもお役立ていただければと思います。

①設備・スキルなどのリソースが無いので、自社ではできない

バックヤード業務を効率的、かつ、正確に運営するには、設備や経験のある人材・ノウハウが不足しているというケースです。
自社にリソースがない場合、1から構築しようとすると、多くの時間とお金と労力がかかってしまい、結果として物流が事業全体のボトルネックになってしまう可能性もあります。

■バックヤード業務に必要となる主な設備・スキルなど

  • 設備(商品を保管する物流センター、ラックなどの保管器具、カートなどの作業器具)
  • 倉庫管理システム(在庫数量の管理、在庫ロケーションの管理のため)
  • スタッフ(作業スタッフ、マネジメントスタッフ)

②ラクで早い

自社でもやれなくはないけど、アウトソーシングしてしまったほうが、業務負荷が軽減され、処理も早くなるというケースです。
ECサイトのコア業務は、売れる商品の企画や仕入れ、売るための戦略を考えることです。
しかし、コア業務とバックヤード業務を兼務してしまうと、ミスの許されない出荷作業に時間を追われ、コア業務のための時間よりもバックヤード業務の時間に割いてしまいがちです。

また、例えばアパレルECの会社に入社する人は、アパレル/WEBが好きで入社したスタッフが多いでしょう。
そのようなスタッフに出荷などのバックヤード業務を担当させるとモチベーション維持が難しくなるため、人事制度の観点から自社のコア業務に人材を集中させようという考え方もあります。

③コストが下がる

自社対応でかかっているコストとアウトソーシングした場合のコスト試算を比較すると、トータルでコスト削減が見込めるというケースです。
コストについては、梱包資材、配送料金など、“直接的な支出を伴う費用”だけでは正確な比較ができないため、“支出を伴わない費用”も含めた現状を把握したうえで比較する必要があります。

■見落としがちなコストの例

  • 賃料(事務所内で対応している場合)
  • 火災保険料
  • 水光熱費、電球交換費
  • 人件費(他の業務と兼務している場合)

例えば火災保険料の場合、自社対応の場合は商品に火災保険を付保していないケースもありますが、倉庫業を営む物流会社のサービスでは、火災保険が基本的に付保されているといった違いがありますので、きちんと全体を把握したうえで、比較をすることが重要です。

また、コスト単価の削減だけでなく、商品の保管量・出荷量などに応じた費用体系になることによる毎月の支出の変動費化、内在しているコストの明確化などのメリットもあります。

④品質が良くなる

誤出荷や梱包ミスなど、出荷にかかわる業務のミスは、クレームや客離れにつながるリスクが高いため、専門会社に任せることで、作業の品質を担保したいというケースです。

EC通販の場合、店舗への配送などと違って、出荷した商品が直接お客様の手に届くわけですから、例えば梱包作業に使用しているはさみやカッター、ペンなどの異物が混入すると、大きな事故、クレーム、口コミによる悪評などの重大なリスクにつながります。

MDや販促で新規顧客を獲得しても、バックヤード業務の品質で顧客を失ってしまっていては、穴のあいたバケツに水を注いでいるのと同じ状態ですから、このような品質の課題を抱えている場合は、最優先で解決にあたるべきでしょう。

⑤選択肢が広がる

物流を“サービス”として考えて、お客さまのニーズや外部環境に応じた変化に柔軟に対応していくため、物流機能を自社で固定化せずにアウトソーシングして、変化に対応しやすくしておくというケースです。

自社で物流をまかなっている場合には、さまざまな制約を前提条件として対応することが多くあります。

「出荷先は関東圏が多いけど、事務所のある関西から出荷している。」
「商品数を増やしたいが、保管スペースの余裕がない」

さまざまなケースがありますが、アウトソーシングを前提とした体制が構築できれば、複数の選択肢の中から自社の現状に合った会社・サービスを選択することができます。
その時々の経営課題に応じて、最適な委託先を選択・変更するというようなことも可能となります。

ただし、委託先の変更には時間とエネルギーがかかりますし、リスクも伴います。
将来の事業の成長に応じた拡張性や、その時々に必要な情報提供や提案をしてくれる“パートナー”となる物流会社を見つけるのが良いでしょう。

また、ちょっとした悩み・困りごとを相談できるパートナー企業とつながっておくことで、自社にないリソース・ノウハウを自社に取り入れることが可能になります。

【まとめ】

ECサイトにとって物流コストはかなりの部分を占めるものですが、ECサイトにおける提供価値は、“製品(品質・価格)+サービス(物流・対応)”ですので、お客様に選んでいただくためには物流サービスも非常に重要な要素となります。

今回ご紹介した、ECサイトで物流アウトソーシングを活用する5つの理由を参考にしていただき、
「そもそも物流業務をアウトソーシングするのが自社に適しているのかどうか?」
「自社の課題に対して、アウトソーシングの委託先が適切かどうか?」
を見直してみてください。