物流用語として使用される「ミルクラン」について、解説しています。
(英語:Milk run)
ミルクランとは
ミルクランとは、複数の調達先を巡回し、商品や部品などを集荷する調達輸送形式の呼称です。
名前の由来は、アメリカの酪農家を巡回してミルクを集めていた事に由来しています。
ミルクランの特徴
ミルクラン方式のメリット・デメリットには、次のような事項が挙げられます
【メリット】
- 車単位に満たない物量の場合、積み合わせによって積載率が向上する
- 集荷範囲が一定の範囲内の場合、車建料金よりもコストダウンが可能
【デメリット】
- 混載集荷になる為、集荷時間の指定が難しい
- 集荷時間の制限がある為、待機時間が短くなる
- 集荷先が離れている場合には適していない
ミルクランの採用事例
例えば、製造メーカーの工場は、多頻度少量の調達で構内在庫を減らし、生産性を上げたいため、工場のラインへ投入時間に合わせて、JIT(Just In Time)による多頻度納品を実施しています。
他方、部品会社側としては、少しでも物流費を減らしたい為、荷物をまとめて運びたいという思惑があります。しかし、各投入時間ごとのJIT納品によって1回あたりの納品物量が少なく、各サプライヤーから工場へ直接納品するとコスト高になってしまう。
そのようなケースでは、各サプライヤーを巡回し集荷するミルクラン方式が採用されています。